定年による大量退職は、日本の経済や社会に大きな影響を与え、企業側も団塊世代の人々が抜けた穴は大きいと感じている。
長かった不況が底を打ち、転職マーケットは活況を呈してきた。
団塊世代を採用すれば、これまで培ってきた経験とノウハウを活かしてくれるメリットがあると考えている雇用者はたくさんいる。
しかし一方で、終身雇用制度のもとで働いてきた団塊世代には転職経験のない人が多い。
転職に慣れている30代に比べると、転職活動の仕方や雇用する側のニーズを理解するのに苦労するのではないだろうか。
根拠のない自信があって、自分だけは大丈夫と思っている人こそ、過去の栄光やプライドに囚われてしまうリスクがあるのだ。
何度も思いがけなく不採用になって、プライドをこなごなにされてしまい、転職活動に復帰できなくなった人もいる。
そうならないためには、自分にマッチした転職活動のノウハウを見つけなければならない。
なかには、新卒入社以来、一度も書いたことのなかった履歴書の書き方を学ばなければならない人もいるだろう。
さらに、職務経歴書に関しては、書いたことがないという人がほとんどだ。
職務経歴書ができたのは1990年代頃と言われている。
団塊世代が就職活動をしていた当時、大半の企業は履歴書のみ提出すればよかったのだ。
そのため、これから転職活動を始めるという団塊世代は、履歴書だけでなく職務経歴書の書き方についても学ぶ必要がある。
転職活動で一番大事になるのが、自分がこれからどんな人生を送りたいかを、家計も含めて具体的にイメージすることだ。
転職活動にあたっては、どのように自分の個性と経験をアレンジし、プライベートとのバランスを図るかを十分に考える必要がある。
それが、会社から選ばれるのではなく、自分が会社を選ぶ有意義な転職活動になるのだ。